三社詣り/三社参りを知っていますか?
西日本の各地、特に九州では、お正月には3つの神社をめぐる風習があります。
よく【氏神】【生まれた土地の神】【現在居住地の鎮守】を巡ると良いとされていますが、
田染荘/田染地区においては、鎮守が3つあり、元宮八幡神社・二宮八幡神社・三ノ宮八幡神社を総称して田染三社と呼んでいます。
秋には三社の神輿が一堂に会するお祭りも行われ、三社はとても密接な関係にあります。
また、三社はともに岩の信仰と深い関係があります。天高くそびえる岩峰には神が宿ると考えられ、
岩坐(いわくら)と呼ばれる依代になったり、国東半島では霊場が開かれ、磨崖仏も彫られました。
田染三社を巡ってみると、そうした国東半島の神社の文化に触れることができるかもしれません。
標準見学時間は1時間40分です。
実はこのコース、YAMAPの六郷満山内の「田染の里散策コース」でも巡る事ができてしまいます!
田染中村、田染地区で唯一の信号機があるそばに、元宮八幡神社は鎮座しています。
宇佐神宮から勧進された田染郷の別宮とされています。祭神は宇佐三神のもととなった宗像三女神の一柱・田心姫命(たきりびめのみこと)。
拝殿に飾られる大絵馬は、昭和4年の雨ごいを描いたもので、田染地区の水に関する祈祷の中心であったことがわかります。
元宮八幡神社の境内の端には磨崖仏が彫られています。国の史跡「元宮磨崖仏」です。
南北朝時代から室町時代にかけての作品と考えられています。
毘沙門天、不動明王、矜羯羅童子、持国天、声聞形尊像の5体が彫られ、最も背の高い毘沙門天は200cmを超えます。
宇佐神宮の神様を仏の世界であらわしたという独特の配置で、神仏習合を今に伝える重要な磨崖仏の1つと言えます。
5分
田染真中(間戸)に所在する二宮八幡神社。境内に入ると、大きな仁王様が出迎えてくれます。
祭神は湍津姫命(たきつひめのみこと)、で元宮と同じく宗像三女神の一柱。
往復30分
二宮八幡神社のある間戸・旭地区は、朝日岩屋の存在から地名が付いています。
夕日岩屋・朝日岩屋は薄い岩壁の両面につくられた岩屋で、それぞれ観音様が祭られています。
夕日岩屋は、田染荘の美しい農村景観を一望できる展望スポットとして著名です。
このように国東半島ではちょっとした岩山の中に多数の霊場が開かれていきました。
5分
田染上野地区に向かうと右手に柱状に聳り立った岩峰「鍋山」が見えてきます。
その対面の位置、田染地区(豊後高田市)と杵築市大田村の境付近にあるのが、三ノ宮八幡神社です。
祭神は市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)。やはり宗像三女神の一柱です。
三ノ宮八幡神社より少し下った先にある鍋山井堰。
上野・相原の大部分を灌漑し、田染荘の開発の中でも最も重要な井堰の1つです。
その重要な井堰の近くから階段を5分上ると、鍋山磨崖仏(国の史跡)が静かに立っています。
彫られているのは不動三尊。昔から水の守り神とされていたと言われています。
ちょうど真木大堂の不動三尊と同じくらいのサイズであり、意識的に作られた像かもしれません。