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夷里神楽の「荒神面」のレプリカが完成しました!

更新日2022年03月25日

 夷里神楽保存会では、夷地区で行われる春の麦祈祷などで使用される神楽面を、大切に使用しながら継承してきました。中でも、江戸時代後期に板井派仏師が作ったとされる「荒神面」は、造形の良さもさることながら、「荒神」の演目での激しい舞は、夷谷仙境春まつりでも披露されるなど人気もあります。
 荒神面は約200年前に作られていますが、長年の使用による割れなどが発生していたため、この度、精巧な木製レプリカを作成し、レプリカを神楽に使用して、本物は大切に保管・継承していくことに決めました。
 なお、本事業は令和3年度世界農業遺産ブランド推進事業(地域活力支援事業)の補助金を活用して実施しました。

木製レプリカの完成まで

 事業は7月から取り掛かり、神楽面の3Dスキャンからスタートしました。面の形状の精緻なデータを取得し、破損部分の修正をデータ上で行いました。詳細なデータを取得することは、実物の面の保存にも役立ちます。
 修正部分を3Dプリンターで出力して造形を確認し、3Dデータに沿って木材を削る特殊な機械で削り出しを行いました。その後、古色仕上げを行い、現物の面の雰囲気をそのままにレプリカが完成しました。

荒神面(実物)を使ったスキャン作業風景

スキャンした荒神面の3Dデータ

実物

完成したレプリカ

今後の活用等について

 完成した荒神面のレプリカは、実際の神楽で使用するほか、後継者育成や地域学習の際にも使用したいと考えています。
 また、今回取得した神楽面の3Dデータを利用したいという方にはCD等で共有いたしますのでご連絡ください。